May 15, 2009

東北大大学院:女性助教の11本の論文で不正行為


東北大大学院歯学研究科で、論文データの改ざんがあったと発表する笹野高嗣・同研究科長(左)ら=仙台市青葉区の東北大片平キャンパスで2009年4月21日午後4時16分、比嘉洋撮影
 東北大大学院歯学研究科の女性助教の論文に不正があったとされる問題で、同大の調査委員会(野家啓一委員長)は21日会見し、この助教と指導教授ら計3人の研究者が01~07年に発行した11本の論文についてデータ改ざんの不正行為があったと発表した。助教は不正を否定しているが、大学側は懲戒処分を検討する。

 研究が不正とされたのは上原亜希子助教(39)。実験は上原助教が単独で実施したが、調査委は、指導教授らが実験データの信頼性の検証を適切に行わなかったとして、不正に関与したと認定した。

 調査委によると、上原助教は昨年3月、口腔(こうくう)の免疫に関する論文で、日本細菌学会から若手研究者に贈られる「黒屋奨学賞」を受賞したが、不正を疑う会員の指摘が同学会にあった。同学会がこの論文を含む上原助教執筆の論文の作成過程を調査した結果、16本の論文で不正の疑いが強まり、大学側に調査を求めていた。

 一連の論文は、別々の実験に基づくデータとしているにもかかわらず、実験結果の顕微鏡写真などの画像が複数の論文でぴったり一致していたという。さらに、上原助教は実験の証拠となる記録について「パソコンに保存していたが、パソコンの故障とウイルス感染により喪失した」として、提出しなかったため、実験データの不正を認定した。【比嘉洋】